「漏れる腸=リーキーガット」と呼ばれる腸の状態について、近年、様々な研究が進められています。
特に、現代人が侵されていることが多いと言われているこの「漏れる腸=リーキーガット」。
じつは、IBDであるクローン病 潰瘍性大腸炎とも関連があると言われている、この「漏れる腸=リーキーガット」。
一体、何が腸から漏れてしまうのでしょうか。
今回は、「漏れる腸=リーキーガット」について、その原因や症状、改善法についてお伝えします。
以下では、「漏れる腸=リーキーガット」を「リーキーガット」に統一して説明しますね。
クローン病 潰瘍性大腸炎にも関係のあるリーキーガットとは?
リーキーガットとは、直訳すると「漏れている腸」。
医学的な日本語訳としては、腸管壁侵漏症候群(ちょうかんへきしんろうしょうこうぐん)と呼ばれています。
何やら難しい名前ですが、いったいどんな状態なのでしょうか。
リーキーガットとは「何らかの原因で、小腸の粘膜細胞に微小な穴が開き、そこから、本来入ってきてはいけないはずのウイルス・バクテリア・未消化のタンパク質といった身体にとっては有害な異物が血液に漏れ出し、体中を巡ることで、さまざまな不調を引き起こす」腸の状態のことです。
つまり、リーキーガットとは、ウイルス・バクテリア・未消化のタンパク質といった有害な物質が、血管内に漏れ出していることを指して、「漏れる腸」と呼ばれるわけです。
ちなみに、このリーキーガット。医学的にはまだきちんと確立された病気、として認識されているわけではなく、いまだに様々な研究が続けられている状態です。
あるかもしれないなー、くらいの認識のようです。
クローン病 潰瘍性大腸炎以外にリーキーガットが原因とされている疾患とは?
これだけの多くの種類にわたる病気の原因になっているのではないかと言われています。
なぜリーキーガットが起こるのか?
リーキーガットの原因として考えられているのは、以下のようなことです。
- 幼少期の腸内環境
- 薬の乱用
- ストレス
- 食生活の乱れ
- 重金属の蓄積
幼少期の腸内環境
人間の腸内環境は幼少期でほぼ決まってしまうと言われています。特に、生後10か月までの期間が大事であり、この期間までにその人の今後の腸内環境がほぼ決まってしまうのだということがわかってきています。
そして、この幼少期にいかにたくさんの菌と触れ合ってきたのかによって、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう=腸内細菌の集まりのこと)がより多様になり、結果として病気にかかりにくくなることにつながります。
つまり、この期間に清潔すぎる環境に置かれたりして、いろいろな菌と触れ合ってこなかった場合、リーキーガットにかかりやすくなってしまうのです。
薬の乱用
病気を治すはずの薬で、新たな別の病気=リーキーガットになってしまうというのは、何とも皮肉ですが、薬の乱用もその原因です。
抗生物質
幼少期の頃に頻繁に使われたりしてしまうと、腸内細菌叢のバランスが乱れ、リーキーガットの原因となります。
非ステロイド系消炎鎮痛剤や胃酸抑制剤
非ステロイド系消炎鎮痛剤は、別名をNSAIDs(エヌセッズ)と呼ばれています。例を上げれば、「イブプロフェン」。頭痛薬などによく使われていますよね。これらの薬剤も頻繁に使っていると、腸の炎症を引き起こすことがわかっています。
長期間の点滴
短期間の点滴であれば、身体にとって有毒な物質を発生させるグラム陰性菌と呼ばれる細菌を減らすため有用ですが、長期間にわたる点滴は逆に腸内環境を悪化させ、リーキーガットを引き起こすと言われています。
私自身、クローン病を発症した当時、一ヶ月以上にもわたり、絶食し点滴のみで過ごしていました。今となっては、これがきっかけでリーキーガットも併発していたと推測しています。
ストレス
近年、話題にされることも多い「脳腸相関」。脳の環境と腸の環境は、密接なつながりがあり、相互に影響を与えあっている状態のことを指します。なので、いわゆる精神的なストレスも、腸内環境を変化させ、リーキーガットを起こしやすくなります。
食生活の乱れ
リーキーガットを引き起こす食べ物として代表的なものは、グルテン。小麦粉から生成されるタンパク質であるこのグルテン。小麦粉はうどんやパンの原料として私たちの日常の食生活に既に深く浸透している食品ですよね。
グルテンには、一種の糊のような特性があり、これが腸にくっつくことで、腸の上皮細胞を剥がしてしまい、リーキーガットを引き起こします。
また、グルテンが作り出すゾヌリンというまた別のタンパク質によって、腸のタイトジャンクションが開かれて、リーキーガットになることもわかっています。
以前、こちらの記事でもグルテンフリーについては、言及しましたが、リーキーガットの観点から見れば、やはりグルテンは避けるべきと言えるでしょう。
タダヒロです。 さて、今回は、巷でも耳にする機会の増えた流行りの食事法「グルテンフリー」とIBDであるクローン病 潰瘍性大腸炎との関係について 自分の体験も交えて書いてみます。 https://yout[…]
グルテン以外には、アルコールや乳製品に含まれるカゼインというタンパク質、加工食品に含まれる食品添加物もリーキーガットを起こしやすいと言われています。
重金属の蓄積
人体にとって有害な重金属が身体に蓄積する場合があります。
たとえば、水銀。
過去に、歯の治療のため詰め物としてよく使われていたアマルガムという物質があります。これはじつはその半分以上が水銀から成る合金です。
この水銀、なんと抗生物質と同じ作用があり、アマルガムとして使われていた水銀が口から腸に入り、腸内環境を悪化させ、結果としてリーキーガットになってしまうということもわかっています。
クローン病 潰瘍性大腸炎にも関係のあるリーキーガットはどうやって治すのか?
では、このリーキーガット、どうすれば改善できるのでしょうか。
ここでは、食事の面からできる改善法についてお伝えします。
その前に、リーキーガット改善のベースとなる腸内環境改善のための4Rについて頭に入れておいてくださいね。
食事と4Rの同時進行がおすすめです。
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酢タマネギ
これは、メッチャカンタンです!タマネギを切って酢に漬けるだけ!
お酢に含まれる短鎖脂肪酸が、リーキーガット改善に良いんです。短鎖脂肪酸が腸の炎症を抑えてくれるとともに、穴が開いてしまった腸のバリア機能を回復させてくれる働きを持っています。
酢・・・適量
塩・・・適量1.タマネギは薄切り。30分置いて、塩を振り、混ぜる。
2.容器に1を入れ、タマネギが隠れるくらいの量の酢を入れる。
3.2を冷蔵庫へ。翌日まで漬けておく。
ボーンブロススープ
ボーンは動物の骨。鶏ガラ、牛骨、豚骨といった骨の部分を野菜などと一緒に長時間煮込んで、そのダシ汁をスープとしていただくのが、ボーンブロススープなんです。
この骨の部分には、リーキーガット改善に有用なアミノ酸(プロリン、コラーゲンなど)が豊富に含まれており、これらアミノ酸を吸収の良い液状のスープとして摂ることができるのが利点です。
2.野菜も入れる。(セロリ、タマネギ、ネギなど)
3.煮立ったら、酢を入れる。大さじ2程度。
4.4〜5時間程度煮る。骨が煮崩れ、野菜もドロドロしてくる。
5.鍋を火から下ろし、冷ます。骨と野菜をザルで濾す。
6.出来上がり!
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